【あらすじ】 式部卿宮の娘である鈴宮(すずのみや)様は人に見えない物が見え、話ができることで「狐憑きの宮様」と恐れられ、山奥の別邸でひっそりと暮らしていました。鈴宮様のお世話をするのは不老不死の八百比丘尼と神獣九尾狐の玉藻前、他には鈴宮様と同じような力を持ち、世の中から捨てられた子供達でした。別邸の近くにある龍が棲む龍ヶ池の守人として龍ヶ池を清めながら過ごしていた鈴宮様はある日、都の方が騒がしいことに気がつき、破魔矢を放ちました。 ある時、鈴宮様が別邸の近くにある龍ヶ池に行くと、一人の男と出会いました。その男は鈴宮様の破魔矢によって助けられた東宮様でした。 鈴宮様に一目惚れした東宮様は鈴宮様を強引に入内させ、側に置いて寵愛なされます。 しかし、それが面白くない女御様や大后宮様、さらには鈴宮様に横恋慕する宮様まで、現れ・・・・・・。 人の悪意と戦う鈴宮様と東宮様は悪意を浄化できるのか。 そして、人の世を知らない天然な鈴宮様とワンコ系東宮様の恋の行方は? 【登場人物】 ■鈴宮《すずのみや》→式部卿宮の娘。狐憑きと呼ばれている ■八百比丘尼《やおびくに》→鈴宮の養母。 ■玉藻前《たまもまえ》→鈴宮の女房。実は妖怪。 ■式部卿宮《しきぶきょうのみや》→鈴宮の父 ■東宮《とうぐう》→今上帝の嫡男 ■六条女御《ろくじょうのにょうご》→鈴宮が入内するまで東宮御所で最も地位が高かった ■陰陽師《おんみょうじ》→怪しげな術で鈴宮を襲う ■内大臣《ないだいじん》→六条女御の父 ■大后宮《おほきさいのみや》→先帝の妃 ■梅東風宮《うめごちのみや》→大后宮の息子